先日、急にテレビ画面が真っ黒になって何も映らなくなった。
でも、これって、これ幸いだなと思った。
これをきっかけに、テレビのない日常を取り戻そう。
第一、今のテレビ番組の低俗なこと。
嘘くさいTVCMの多さと放映時間の長さ。
日頃から、これはもう自分には要らない、そう思っていた。
私の住んでいる地域は、電波が入りにくい山あいの辺鄙な地域だ。
山かげにある盆地のようなところなので、都市からの電波が届かない。
そのために、これまで地域では小さな共同アンテナを建て受信設備が作られた。
だから、テレビを見るために、テレビ放送受信料の他に共同受信設備管理費の2つが必要だった。
その2つの費用が、今後要らなくなるのだ。
それとは別に、以前からインターネットでも課題をかかえていた。
それは、今の接続環境ADSLが間もなく終わるということ。
時代が進歩して、通信速度の遅いネット回線はまもなく終了するという。
私のような時代遅れの古い人間には、今のまま続いてくれてもいい。
そう思っていたのですが、無理なようだ。
たぶん普通の家庭なら多くの方が光回線を選択するようだ。
しかし、低年金暮らしの老人にとっては、早すぎるしもったいない。
オーバースペックだし、豚に真珠と言ってもいい。
今までの速度で納得していたのに、その何倍、いや何百倍?
そんなに早い回線が、一人ぐらしの低年金老人に必要なのか?
それと、この支出は固定費になるし、利用量の多い少ないに左右されない。
ずっと、たぶん死ぬまで継続的に決まった金額を支払う必要がある。
であるなら、もっと簡易で安い方法はないのか。
検索を駆使し、見つけたのがスマホなど携帯電波の回線を使う方法だ。
いまはもう使われなくなった、巷に有り余っている中古のモバイルルーターを手に入れる。
そのルーターに格安SIMを入れると安くでネット回線が作れるらしい。
すこし面倒なAPNの書き換えはあるけど。
しかし、中古のルーターにはなんら保証もないのでやや危険かも知れないけど。
そしてやはり、最初に買った1800円のクレードル付きのルーターは電波を掴まなかった。
あきらめかけたけど、せっかくのクレードルがもったいない。
そこで、同じ機種の単体が500円で出ていた。
このくらいの値段なら、失敗してもあきらめはつくだろう。
またしても危険を承知で、注文した。
自己責任は承知で設定をしたら、なんと簡単につながったではないか。
おおすごい、できるんだ。
この方法なら、光回線の三分の一ぐらいの費用で済ませるはずだ。
それに、これまでより通信速度も4・5倍早くなった。
ただ、短期間に余りたくさん利用すると、通信速度に制限がかかる。
うまく状況を見ながら調整して使えば、これまでと余り変わらない。
もう動画を高画質で見るわけでもない、ネットを介してゲームをするわけじゃない。
それに、今までのADSL回線は電話回線がないと使えなかった。
しかし、今度の回線は電波を使った回線なので、電話回線も必要ない。
そこでまたもや、これ幸いということで、固定電話も解約した。
テレビの廃止と、ネット回線の簡素化で固定費が節約できる。
年をとったら、身の丈にあった生活に切り替えよう。
ダウンサイジング、清貧、断捨離、足るを知る。
巷間では、高名で裕福な先生方々が晩節を汚す事件に事欠かない。
そんな俗世に惑わされることもないこの晩年爺、まんざらでもないなあ。