散髪が面倒くさい。
年をとると、食べることも、風呂も、運動も面倒くさい。
だから当然、髭剃りも散髪も面倒だ。
しかし、髪が長くなると洗髪にかける時間がかかるし、シャンプーの量も増える。
だから、ほっとくわけにもゆかない。
長髪にして後ろを結んでいる男の人や、老人を見かけたりするけど、どうなんだろう。
男やもめの自分は、お洒落をするわけじゃないので、いつも千円カット店を利用している。
しかし、この前利用した時、店員の若い兄ちゃんの態度が悪い。
この老人をからかっているように感じた。
どのくらいカットしますか、そう聞いてきたので短めにと答えた。
するとどの位の短さですか、何センチぐらいですか?
そして、よくわからない数字を幾つか並べだした。
そこで、どうでもいいので適当に数字を応えると、その数字は無いという。
適当に、数字を答えてやっとカットが始まった。
カットされながら、何故かこの私という老人を、小馬鹿にしているのかという気分になった。
よく今、切れる老人たちということを聞くけど、いまはそんな気持ちもわからないでもなかった。
今回を最後にこの店には行くまい、そう決めた。
そして、ネットで色々探してみたら、ちょっと遠いけどもう一つの床屋を見つけた。
そして今回その店を利用した。
どうしますか?店員は聞いてきた。
適当に短めに七三でカットしてください。
もう年ですから適当でいいですから。
そう私は答えた。
そして、その店舗の休日のことなども聞いたりした。
そして、最後に眉毛もカットしておきますね、そう聞いてきた。
これまで、生まれて一度も眉の手入れなんてしたことなどなかった。
少し驚いて、どうもすみませんと私は答えた。
年老いてくると、老人の眉は意外と伸びて、これが老人の証といえるほどになる。
それを整えてくれた。
同じ千円カット店でも、これほどまでに違うのか。
少し遠い場所にあるけど、次もこのお店のお世話になろうと、そう決めた。
そうだ、村山富市さんにも紹介しなきゃ!