下り坂を楽しもう

人生を折り返して、下り坂も終わりに近い爺の戯れ言

むかしの話。

うちの子どもたちは、ファーストフード店に行ったことがなかった。
回転寿司にも連れて行ったことがなかった。
映画や遊園地にも連れて行っていない。
カラオケにも行ったことがない。
親の携帯は、プリペイド携帯を着信専用で使っている。
スマホはキャリアから切り離されたものをWifi専用で使っている。

自家用車は処分した。
田舎での買い物は、原付きバイクを使っている。
子供が高校生になってファーストフート店に行ったことがない。
そう同級生に言ったら、驚いていろいろ教えてくれたと言っていた。

子どもたちが、夏休みにキャンプをするので米を持ってくるように言われた。
でも、うちの米は、くず米だったので迷ったけど、混ざったらわからないだろうと思って、黙ってそれを持たせた。

ひとりの子供は、親に向かって、おまえは親の務めを果たしていない、そう言った。
その子は、黙ってなにも言わずにうちを出て行った。
いま住んでいるところは知らない。
かろうじて、メールだけはつながっている。

むかしの、父子家庭の貧困は今よりきつかった。
制度も遅れていて、母子家庭よりつらかった。