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前期高齢者になった男の戯言

死別で子供3人のシングルパパを経て前期高齢者になった男の日常

届かない手紙

天国の君へ。
あなたが逝ってからいろんなことがありました。
3人の子供はどうにか元気で暮らしています。
不思議なことに、みんながみんな、中学校になると不登校になりました。
彼らの苦しんでいる姿を見ていて、かわいそうでなりませんでした。

一番不登校が長かった子は、2年間続きました。
しかし、彼はいま、自分の夢に向かって頑張っています。
人生という時間の中では、たったの2年なんて大したこと無いよと話しました。
来年は就職なので、今頃は就活で大変な時期だと思います。
頑張り屋さんなので、今はできるだけそっとしておこうと思います。
彼は、父親である僕に対して、とても優しく、そして感謝してくれています。

旅行券を送るから、観光案内するから遊びにきてと言ってくれています。
でも、まだ学生の身分なので、仕事が決まったらね、と言ってあります。
彼は、2箇所から奨学金を借りているので、これからの返済を心配しています。
経済的に、親としてサポートできなかったことが無念です。

長女はあなたの性格を引きついだのか、友達みんなからとても好かれているようです。
今年の正月は帰省しました。
ところが、夜午後10時頃帰ってきて、翌朝9時には友達と遊ぶ予定があると言ってそそくさと出てゆきました。
その時、父親に言った言葉は、お父さんはなにか楽しみとかあるの?
と言われました。
子供3人を男手1つで育ててきた父親も、老いたと感じたのでしょうか。
そんな娘が、自分のことより父親の心配するように成長していました。
心配してくれて、ありがとうね。

どうにかこうにか、二人共いい子に育ったようです。
今一番の悩みは、三番目の子のことです。
彼は、中学生の頃からメンタルを患って服薬しています。
俗に言うメンヘラだと自分を信じて疑いません。
こんな状況が、いったいいつまで、続くのでしょうか。
根負けしないように、長く見守ってゆこうと思っています。
すべてがうまくゆくわけもありませんから。

いつか笑える日がくるのを信じて。
あなたが逝ってから20年。
ずっと未熟な子育てしか、してきませんでした。
そして、これからもいつ終わるのか、わかりません。

あなたは、僕と子供3人を残して、誰にも気づかれないように逝ってしまった。
その直接的な理由以外、本当の理由は未だにわかりません。
聡明なあなただから、選んだ方法だったのでしょうか。
僕の心の中では、永遠の謎なのかもしれませんね。
たぶん、僕がパートナーとして信頼できない、つまらない男だったからかもしれないですね。
あなたの望む相手として、ふさわしくない狭量な男だったのかもしれない。
なぜなら、そのことを告げたい対象にもならないほどの、役目も価値も持ち合わせていない男だったから。
僕が死ぬまで探しても、答えの見つからない疑問です。
ひょっとしたら、僕という存在があなたを殺したのかもしれませんね。
だから僕は、死んでも天国にはゆきません。
あなたに会うつもりもありません。
どうぞ安らかに・・・・・・・・。

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