昨夜、じゃなくて、未明の午前2時か3時頃だった。
耳元で、蚊のブーンという羽音が聞こえた。
えっ、いったいどこからこの部屋に入ってきたのだろう。
今年最初の蚊である、お前は。
羽音が聞こえると、真っ暗な中、両手でなにも見えない空間に向かって振り払う。
しばらくすると、またブーンという羽音が近づいてきた。
またもや、同じように両手で振り払う。
まるで、戦闘機が繰り返し攻撃をしてくるかのよう。
よっぽど、起きて去年使った蚊取り線香を炊こうかと考えたけど。
しかし、睡眠欲に負けて、結局その波状攻撃に耐えることにした。
いつも思うことだけど、神様はなぜ蚊という昆虫に羽音を付けさせたのだろうか。
もしも、蚊がハエのように音もなく飛翔できたら、もっと蚊は繁栄できただろうに。
この、蚊が羽音を立てるのは、進化論では立証できないのではないか。
もし進化論が正しいとするなら、今頃蚊は羽音を立てずに飛べるはずではないか。
しかし、未明の僕は、その進化論が成り立たない現象で救われたわけだけど。
早速、今夜から蚊取り線香を準備することにしよう。
未明にまどろみながら、、蚊への対策を考えた。
そういえば、むかし使っていた電子蚊取り器というものがあったはず。
コンセントに差し込み、ヒーターの熱で薬品を浸せたマットを温める。
それによって、蚊の嫌がる蒸気で蚊を寄せ付けない装置だった。
でもそれって、常時電気を食っているわけだし、マットも補充する必要がある。
ちょっと不経済ではないか、そう思って止めようと思った。
その他に思いついたのが、超音波による蚊対策だった。
その装置は、人間には聞こえない高い周波数を発するもの。
たしか、その高周波によって、蚊を追い払うものだ。
でも、本当に効果があるのかもよくわからないものを、わざわざお金を出して手に入れるのもはばかれる。
じゃあ、昭和の時代に使っていた蚊帳はどうだ。
それを、ベッドの周りだけに張り巡らせてみよう。
蚊帳だったら、空気も汚れないし、環境にもいいわけだ。
ネットで探せば、たぶん見つかるかもしれない。
そう思ったが、むかし蚊帳の中で寝ていた時を思い出した。
あれはあれで、意外と空気が滞ってしまうのだ。
いくら窓を開け放っても、風が通らない。
たぶん網の目が緻密なので、空気が流れない。
あの、夏の蒸し暑い夜、蚊帳の中でうなされた記憶が蘇った。
いろいろ考えたが、今年の夏も例年同様、蚊取り線香が一番かな。
蚊の波状攻撃を受けながら、そうゆう結論に至りました。