かなりの昔話になってしまうけど。
私が辺鄙な田舎にある温泉保養施設で働いていたころ。
宿泊もできて、日帰り温泉も楽しめるところ。
そして売上を伸ばすために、いろんなことに挑んでいた。
そのなかに、宿泊の売上を伸ばすために客室販売に旅行会社を使うことにした。
このシステムは、おかしなシステムで旅行会社はホテルから客室を仕入れます。
しかしその部屋が売れなくても責任はないのです。
ホテルの客室を仕入れていながら、仕入れた費用は発生しません。
なぜなら、旅行会社のシステムを使って客室を売ってあげるのだから、払う必要はありません。
もちろん仕入れた客室が売れなくても、ペナルティのようなものは発生しません。
もし売れたら、ホテル側は売上の何%は手数料として旅行会社に納めてください。
そんなシステムでした。
まだインターネットもなにもない時代。
ではそんな時代、客室の販売はどうしていたかというと日本電信電話公社の装置を使っていました。
その名もテレックスといいました。
昔の、足ふみミシンを思わせるような機械でした。
予約が入ると、深夜、急にそのデジタル装置が動き出すのです。
その音といったら、ガッシャン、ガッシャンと言った機械音。
送られてくる文字は、アルファベットとカタカナだけ。
私はそのために、日本電信電話公社でタイピングの講習を受けさせられたのです。
その教え方は、朝日のア、為替のカ、いろはのイ、などと職員が口頭で唱えながら教えられました。
そんな古き良き時代を思い出しました。